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「やすらぎ」と「ときめき」

「やすらぎ」と「ときめき」

 今年の重大事件は何かと問われれば、座間9遺体事件と答える人も多いだろう。この事件に対するボクの感想めいたものとしては、毎日新聞がきれいにまとめてくれたインタビュー記事がある。その冒頭で触れている「やすらぎ」と「ときめき」について一言――。

 社会を生き抜くには、困難があっても、それをしなやかに受け止め、したたかに乗り越えていかなければならない。困難をしなやかに受け止めるためには、変えられないことをそのまま受け入れる平静心、つまり「やすらぎ」が必要だ。さらに、困難をしたたかに乗り越えるためには、変えられることを見極め、それに立ち向かう挑戦心、つまり「ときめき」も必要である。「やすらぎ」と「ときめき」の二つがあって、初めて困難を乗り越えられるのだ。

 「やすらぎ」と「ときめき」の関係は、車の正しい運転に例えられるかもしれない。「やすらぎ」は、アクセルを踏まないことだが、ずっと踏まないでいると、後続車に追突されてしまう。逆に、「ときめき」はアクセルを踏むことだが、踏み続けていると、先行車に追突してしまう。正しい運転の仕方が、適切な車間距離を保つことであるように、人生の正しい歩き方も、「やすらぎ」と「ときめき」のバランスを保つことなのである。

 世の中には、「やすらぎ」と「ときめき」のメッセージが混在している。「今のままでいいんだよ」「がんばらなくていいんだよ」というのが「やすらぎ」で、「チャレンジしよう」「がんばれ!」というのが「ときめき」だ。どちらか一つだけでは、社会を生き抜くことはできない。変えられないことには「やすらぎ」モードで臨み、変えられることには「ときめき」モードで臨む――そんなモードチェンジが必要なのである。


立正大学教授(犯罪社会学)
小宮信夫

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