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ゾーン・ディフェンス

ゾーン・ディフェンス

 サッカーのワールドカップが始まった。イニエスタのJリーグ移籍で、スペインに注目が集まっているが、ボクも学生と一緒に、イニエスタのホームグランドだったバルセロナのカンプノウ・スタジアムを訪れたことがある。

 バルセロナ日本人学校で開かれた「地域安全マップ教室」の合間を縫ってのことだ。その目的は、一つにはフーリガン対策として採用されているゾーニングを確認すること(犯罪機会論的に言うならば、双方のサポーターの観戦エリアを相互に「入りにくい場所」しているのを見ること)。もう一つは、サッカーの戦術と防犯対策の考え方との類似性に思いをめぐらすことだ。

 日本の防犯は、防犯ブザーや叫んで逃げるといった「犯人と向き合う」やり方に終始している。これはマンツーマン・ディフェンス(個別的防犯)だ。

 しかし、弱者である子どもや女性にマンツーマン・ディフェンスをさせるのは酷である。サッカーでも、強豪国のように、体格や技術が勝っていればマンツーマン・ディフェンスも有効だが、日本代表の活路は、連動性に根差したゾーン・ディフェンスにしかないだろう。
 同様に、防犯の世界でも、子どもや女性を守りたければ、「犯行場所にさせない」というゾーン・ディフェンス(集団的防犯)の発想が必要だ。公共空間を「入りにくく見えやすい場所」にするのである。そんなことを考えながら、ワールドカップを観戦すれば、サッカーのもう一つの楽しみ方が見つかるかもしれない。


立正大学教授(犯罪社会学)
小宮信夫

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